朝、タスクが入ってきてその対応に追われ、出社するタイミングを逃して家で仕事する羽目になる。これが辛い。家での労働は三倍増しでキツい。
- Get in losers, we’re moving to Linux!
- Arch Linux のブームが来ている。DHH がこの記事の中で言っているように、PewDiePie(ゲーム実況引退してなぜかテック系 Youtuber に転身した)とか Primeagen みたいなインフルエンサーが Arch を動画で取り上げたのがきっかけの一つだったと思う。
- しかしひとつ言い添えるなら、Arch は一言で言うと「映える」OS であり、現代のほとんどすべてのコンテンツがそうであるように、映えるからこそ流行ったのである。
- Arch は Windows や macOS、また一部の Linux のディストロと異なり、GUI 環境をユーザが自由に設定することができる。Linux の世界で、画面を自分好みの UI でゴテゴテ飾り付けるのは ricing と呼ばれている(これは日本の痛車が語源らしい)。Arch ユーザは特に ricing が大好きなようであり、“arch ricing” で画像検索すれば、むせかえるほど濃厚なナード臭に満ちたスクリーンショットの群れを目にすることができるだろう。
- Youtube にも、己の ricing を自慢する大量の動画がアップロードされている。そしてこの動画の冒頭では、なぜ人々が Arch Linux をインストールするのか、まさにその核心が語られている。曰く人々は仕事のためでも、生産性向上のためでもなく、ハッカーみたいでかっこいいスクリーンショットを SNS で見かけたから Arch をインストールするのである。ああ。
- あのスクリーンショット群を見ていると、なぜかすごく懐かしい気持ちになってくる。無意味に透過されたウィンドウ、カスタムフォント、虹色に光るプログレスバー、Neofetch、アニメキャラの壁紙。それは自分に、 foobar2000 とか JaneStyle、Winamp のスキンをチマチマいじってた 10 代の頃を思い出させる。オタクってどの時代もパソコンの画面をゴチャゴチャさせるのが好きみたいだ。
- 自分にはその理由がよく分かる。オタクにとってデスクトップ画面とは自分が生活の大部分を過ごす空間であり、したがってそれはもう実質、自分の部屋である。自分の部屋を美しく飾りたいと思うのは当然の心理だろう。それは、服も洗濯できなければ部屋をまともに片付ける能力もないオタクに残された、数少ない文化的な自己表現の手段なのだ。
- この流れに乗じて DHH も Omarchy という Arch の設定ファイルの配布を始めたらしい。この動画ではハイテンションで Omarchy の爆誕を宣言している。
- 確かにこの10年、macOS が開発者にとってのデファクトスタンダードだった。Windows で開発してるやつはアホであり、Linux で開発してるやつは日陰者だった。37signals では従業員全員が macOS から Omarchy に移行したらしい。ユーザがメモリ容量一つアップグレードできない Macbook より、 こういうパソコン のほうがクールなのは自明に思える。
- そして、DHH のフォロワーであれば、彼が信奉してきたのはまさにこのたぐいの自己決定権であることを知っているはずだ。ユーザが自分でスペックを決定できること、自分で改造/修理できること、自分の思い通りにできること。彼が Rails を作ったのも、サーバレスより VPS を選択したのも、DEI に反対したのも、自分の会社を作ったのも、すべて自己決定権の最大化という点で通底している。その一貫性を自分は尊敬する。